パサージュガーデン渋谷投資育成ビル

ビル外観図断面図

若者の街・渋谷を舞台に進行中の都市開発プロジェクトが、高い関心を集めています。パサージュガーデン渋谷――この5月には、その先駆けとして「投資育成ビル」が竣工。このところ活力を削がれていた建設業界に、さわやかな新風を吹き込んでいます。

魅力ある都市景観の創造をめざす
渋谷の新たなビジネス拠点

立地は、JR渋谷駅の埼京線ホームに隣接する元・国鉄貨物跡地。プロジェクトは国鉄清算事業団の建物提案方式にグループ企画として採用され、1995年に計画がスタートしました。このときコーディネーター役を買って出たのは新日鐵。バブル崩壊後の土地が売れない時代に、広さ約1万平方メートルの細長い敷地を7つの企業に分割で取得させるという手法で、その難題をクリアしました。

一方、建設にあたっては全体で都市計画の認可を受け、7棟がゾーンとして調和することで、「魅力ある街並みの創造」が当初より計画されました。全棟竣工のあかつきには、7棟のビルが各々に建築の個性をもちながら、景観的にもすぐれた、新たな都心のビジネス拠点「パサージュガーデン渋谷」が完成することとなります。

人と地球の未来を考えた
チャーミングな新世代型ビル

新時代の幕開けを実感させる先進性は、ビルの設計にも見られます。なかでも今回4棟の設計をすることになった日本設計は、本社設計室の大野二郎主管(第3建築設計群)を中心に、計画全体を成功へと導く推進役として、多くの力を注いできました。そして、第1棟の「投資育成ビル」が完成。各界注目のプロジェクトのスタートにふさわしい、姿、質共にエクセレントな新世代型のインテリジェントビルが誕生しました。

特筆すべきは、ビル全体に地球環境への配慮を採り入れた、設計コンセプトの見事さです。投資育成ビルは総合的にライフサイクルコストの低減化を図る設計となっていますが、その一つとして、国内の一般のビルでは初めて本格的な太陽光発電システムを導入。さらに、そこで使われた建材一体型のソーラー発電モジュールは、性能はもとよりデザイン性にもすぐれ、これまで導入の必要性を認めながらも「外観を損なう」との理由から敬遠されがちだった、このシステムのネックをいわばくつがえす形となりました。

他にも、耐震をさらに上回る高い性能を誇る免震構造、訪れた人々の心を和ませる「環境音響」装置(展示スペース)等々、新開発された最先端の技術がビルのハードにもソフトにも、随所にふんだんに埋め込まれています。

全体のデザインは、ビルのオーナーである東京中小企業投資育成(株)の目的が「将来性のある中小企業を育てる」ことにあるため、その企業イメージを大切にし、軽やかでありながら知的で、明るい未来性を表現するデザイン性の高い空間が創出されました。

地上8階、地下1階のビルの内部は、投資先である750の企業のための研修室や会議室、多目的ホール(大会議室)、企業PRスペース等が全体のほぼ半分を占め、残り3フロアが職員のオフィススペース。大胆な吹き抜けを備えたそのオフィス部分は、クリスタル階段によって内部でもつながり、一体感とフレキシビリティを同時に備えた豊かな空間となっています。

建物の地下スペースを最大限に活用
かつ免震構造ビルに対応

地下式駐車場の出入口は、緑のパサージュガーデンに面した透明感あふれるエントランスの横に、来訪者に使いやすいオープンな形で設けられました。とはいえ、もちろん美しい街並みを損ねることなく、高いデザイン性はここでも充分に発揮されています。

導入機種は、日精の水平循環方式駐車設備・レベルパーク。コンパクトで空間効率がよく、豊富なバリエーションで多彩な地下のレイアウトに対応します。しかも免震ビル対応のため機械駐車設備の破損も防ぎます。

機種名
水平循環方式LEVELパーク
延床面積
7,663m²
構造規模
地下1階、地上8階、塔屋2階
収容台数
22台

外観図

乗込階の開口時