新宿ピカデリー

ビル外観図

新宿に新たな都市型シネコンが誕生

さまざまなレジャー・娯楽施設が点在する新宿に、昨年7月、またひとつ新たなエンタテイメントスポットが誕生しました。

靖国通り沿いの一角にオープンした新宿ピカデリーは、旧「新宿松竹会館」の老朽化により2006年に閉館した「新宿ピカデリー1・2・3・4」に替わって建設された、10スクリーン、2,237席を擁する都内最大級のシネマコンプレックスです。

地下2階・地上12階の外観は、ピュアホワイトとガラスが基調。シネコンの多くが内装に「黒」を多用しているのとは対照的に、エントランスやメインロビーなどの主な内装も「白」で統一されています。「真っ白なシアター」というコンセプト通りの、明るく開放的な雰囲気が印象的です。

館内の構造も非常にユニークです。従来のシネコンは、一般的に10前後のスクリーンを一フロアまたは二フロアに配置しています。それに対して、同施設では4階に一つ、7階に二つ、9階に三つ、11階に四つ、とスクリーンを4層に分散。

さらにメインロビーは3階に、プライベートルーム型のプラチナルームやプラチナシートを5階バルコニーに設けるなど、限られた面積の建物内にスクリーンやロビーを重層的に積み重ねた、都心部ならではの新しいシネコンの建物スタイルを採用しています。

上映時間に合わせてたくさんの人が移動するシネコンにおいて、快適な空間づくりのポイントとなる動線計画にも通常以上の工夫が施されています。その重要な役割を果たすのが、1階〜3階まで貫く巨大な吹き抜け空間。吹き抜けを中心に時計回りの動線を作ることで、行きと帰りの客を交錯させずに誘導できるようにしました。

大階段に隣接した地下1階から地上2階部分には、無印良品の都市型旗艦店「MUJI新宿」が入居。「MUJI」ブランドでの出店は全国3店舗目という話題性も手伝って、地下1階に併設された「Cafe & Meal MUJI」とともに、オープン以来、大きな話題を集めています。

伊勢丹新宿店や東京メトロ副都心線の開業後、利用者が増えた新宿三丁目駅からも徒歩3分という好立地にあり、今後、間違いなく新宿の新しいランドマークとなることでしょう。

すべての人にやさしいバリアフリー設計

靖国通りに面し、スペース的にも余裕がなかった新宿ピカデリー。パーキングには、地下空間を有効活用でき、しかもスピーディーな車の入出庫が可能な駐車設備が求められました。そこで採用されたのが、様々な地下レイアウトにフレシキブルに対応する日精の水平循環方式「LEVELパーク」です。

今回の納入にあたって、通常は2列のところを、水平に3列で構成。乗込口の位置を自由に設計でき、最大で4層3列まで対応可能なLEVELパークの特性を活かし、コンパクトな構造で限られた空間を最大限に活用しながら高い収納性を実現させました。

収納台数は48台(そのうち、24台がハイルーフ車対応)。交通量の多い場所柄、新宿ピカデリーの訪問者以外にも有料駐車場として広く利用されています。

また、ハートビル法に基づいた日精独自のバリアフリー設計を採用したことで、高齢であることや障害のあるなしに関わらず、すべての方に安心してご利用いただけます。

重層的な構成と開放感あふれるデザインにより、まったく新しい都市型シネコンを作り上げた新宿ピカデリー。日精のパーキングシステムは、そんな快適な鑑賞空間への入り口として、重要な役割を担っています。

機種名
水平循環方式LEVELパーク
延床面積
14,967.02m²
構造規模
地上12階、地下2階
収容台数
大型乗用車48台(ハイルーフ車24台)

乗込階平面図(2階)

据付階平面図(B2階)

ハイルーフ車など、様々な車種に対応した乗込口

乗込口も白一色で仕上げ、ビルの外観とイメージを統一

段差のないフラットトレー

LEVELパークの特性を活かし循環部を3列で構成